どうもこんにちは。不動産関連のお仕事に計10年近く携わらせて頂いている青二才です。

突然ですがアナタに尋ねたいことがあります
いつも記事の冒頭は突然になりがちで申し訳ありません。始まりはいつも唐突なものです。

アナタがイメージする賃貸専門の不動産会社ってどんな会社ですか?
引っ越しを考える時というのは何かの節目であることが多いですね。
進学・就職・転職・転勤・恋人との同棲・結婚 etc…
そんなタイミングでアナタが訪れるであろう不動産会社。きっとこんな感じの会社ではないでしょうか?

いや、これじゃ分かんないよ。
不動産会社っぽいフリー素材ってあんまりないんですね。
ここでは「駅前の良い立地にある」「店舗に物件の図面がたくさん貼ってある」「社名の看板が大きく目立っている」「のぼりや掲示物が目を引く」「若いスタッフがたくさんいる」「ホームページやポータルサイトに物件を多数掲載している」ような会社を想像してみて下さい。
こういった会社は「賃貸仲介会社」であり、アナタのようなお客様をいっぱい集めて、市場に公開されているお部屋の中からアナタが気に入りそうな物件を紹介し、契約まで持っていくことを仕事としています。
恐らくアナタが物件を借りようとしたときに最初に思い浮かぶ会社はたくさん物件を紹介してくれそうなイメージがある「賃貸仲介会社」でしょう。
しかし実は賃貸仲介会社が取り扱っている物件のほとんどは「他の会社」が物件のオーナー(所有者)から管理を任せられている物件となっています。
ここでいう所の「他の会社」が「管理会社」のことです。
管理会社は賃貸仲介会社と比べるとお客様を集めて物件を紹介する意欲が低いことが多いので、ポータルサイト(SUUMOのような無料で見れるサイト)やホームページにたくさん物件を載せたりしません。また仮にアナタが管理会社に直接訪問して物件を紹介してもらうとしても「思っていたよりサービス良くないなあ」と感じてしまうかもしれません。
また最初から物件紹介はしないと割り切って、個人宅で細々と管理業務だけ行っている管理会社もあるくらいです。

それなら俺が管理会社と直接やり取りすることはなさそうだしあんまり興味が出ないなあ。
ええ気持ちは分かります。ですが管理会社が何を行っている会社なのか、その仕組みを理解することで「最終的に賃貸仲介会社から物件を借りるとしても」お得に交渉などが行えるようになります。
アナタが物件を借りる時に必ず知っておいた方が良い項目ですので、是非最後までご覧になって下さいね。
管理会社とは何をしている会社なのか
まず物件の「管理」って何さ?
ここでの管理とは「オーナーが所有している物件の管理を代わりに行うこと」と捉えると分かり易いです。
例えば10棟で合計100部屋の賃貸マンション・アパートを保有しているオーナーがいたとします。

毎月の賃料だけでワシ金持ち。
仮に1部屋あたりの平均賃料を5万円とすると100部屋全て埋まっていれば何もしなくても勝手に月500万円の大金が入ってくる無双状態です!
いやーまさにブルジョワですね羨ましい。福耳が金持ちになるのは本当かもしれませんね。
さてここで問題です。

じゃあこの物件をオーナー自身で管理するとしたらどうなるでしょうか?
答え:管理が大変すぎてとても一人では満足に対応出来ない
賃貸物件の管理運用には様々な日常業務が隠れています。例えば「入居者のクレーム対応」「物件設備のメンテナンス」「清掃」「入居・退去に伴う業者手配」「契約書の作成」「更新・解約の手続き」「家賃の入金・請求」「空室募集」など、適当に上げるだけでもキリがないくらい出てきます。
物件を1棟しか持っていないオーナーなら何とか対応出来るかもしれないですが、今回のケースのように10棟など複数の物件を保有していると無理があるわけですね。
じゃあどうするか?ここで管理会社が満を持してご登場です!

オーナーさん。僕らが代わりに管理業務を全部やりますよ!
そうです。オーナーさんが自分だけでは到底対応し切れない管理業務を代わりに行ってくれるのが管理会社ということになります。
入居者の対応も管理会社が行います。
入居者から退去の申し入れがあればすぐにオーナーに連絡を入れて解約清算を行い、並行して空室になる部屋の募集を掛けます。
部屋の更新があれば更新の通知から更新処理まで行います。
設備の故障や鍵の紛失があれば専門業者をすぐに手配します。
入居者からの賃料を取りまとめてオーナーへ送金します。
細かく上げるとキリがないのでこの辺りにしておきますが、管理会社に業務を任せることでオーナーの業務負担はほとんど無くなります。不動産会社に管理を任せるのはオーナーにとってメリットが大きいビジネスモデルなんだと分かりますね。
管理会社はどうやってお金を稼いでいるの?
オーナーから毎月受け取っている「管理報酬」
ざっくり管理会社が何をしているか分かったところで、管理会社の売上についても触れておきましょう。オーナー向けのビジネスなので当然オーナーから管理報酬を受け取っています。
不動産会社に貼られている図面やポータルサイト(SUUMOなど)を見るとその物件ごとに
賃料:50,000円
管理費:3,000円
のように費用が書かれているかと思います。この場合管理費込みで53,000円の賃料を入居者が支払います。この53,000円は一度管理会社を経由しますが、のちに管理会社から諸費用を調整したうえでオーナーへ支払われます。つまり最終的にはオーナーの利益ってことです。

我々は管理業務を代行する代わりに管理報酬を頂きますよ。
入居者が支払うお金が管理会社の懐に入らないことがこれで分かったと思います。
管理会社はこうした業務を行う見返りとしてオーナーから管理報酬を受け取ります。
管理報酬=エリアにもよるが家賃の5%程度を受け取るようにしているケースが多い。
家賃50,000円で6部屋あるアパート&全て満室の場合
➡50,000円×6部屋×0.05=15,000円が毎月の管理報酬
もう一つさっきの「満室だと毎月500万円入ってくる忌々しいオーナー」の例で考えてみましょう。
平均賃料50,000円の100部屋のうち95部屋が埋まっているとして、管理報酬5%で計算すると
毎月管理会社が受け取る管理報酬 ➡ 95部屋×2,500円=237,500円
となります。こうして考えるとビジネスとしてはそんなに稼げないのかな?と思うかもしれません。
しかし世の中にはたくさん物件があります。その物件一つ一つにそれぞれオーナーが存在しているのです。ではそんな世の中にたくさんいる他のオーナーからも管理を任せて貰えるとしたらどうでしょうか?
先ほど例に挙げたようなオーナー10人から管理を任せられているとしたら?
100部屋×オーナー10人=1,000部屋です。
1,000部屋のうち950部屋が埋まっていて、管理報酬が5%で統一されていたならば
950部屋×50,000円×0.05=2,375,000円が毎月の管理収入だけで入ってくることになります。
200万円を超えましたよ。なんか急にめちゃくちゃ稼いでるような気がしてきませんか?
ここでは「毎月の安定収入」というのがポイントです。管理会社だけに限らず不動産会社は全体的な傾向として「一度に得られる報酬は高いことが多いが安定性が低いビジネス」になりがちなので「毎月の安定収入」を得られるチャンスがあれば当然狙いたいと考えます。つまり
管理費=管理会社の生命線。
オーナーから管理を任せてもらう物件数が多いほど管理報酬も多く受け取ることが出来る
➡たくさんのオーナーからたくさんの物件の管理を任せてもらうことが最優先テーマ。
なお管理業務にはシビアな一面もあります。オーナーからの信頼を何らかの形で失ってしまうと管理契約を解除されてしまう恐れがありますので、管理会社はオーナーの代行業務を一生懸命頑張りながら管理契約を継続してもらい、さらに新規オーナー獲得の営業も行い続ける必要があるという訳ですね。
管理物件を自社で成約させると入居者から貰える「仲介手数料」
管理会社が管理報酬のほかにもう一つ収入を得る方法として挙げられるのが仲介手数料です。
さっきの100部屋持っているオーナー10人から管理を任されているケースで考えてみましょう。

1,000部屋のうち入居率が95%だとしたら空室は50部屋だね。
物件の入居率=入居者が入居している部屋の割合。満室だと100%になります。
この場合管理会社はオーナーのためにも空室の50部屋を早く埋めなくてはなりません。そこで彼らは
①管理会社自身でポータルサイトやホームページに物件情報を掲載して直接集客を狙う。
②集客が得意な賃貸仲介会社(1社~複数社)に情報を渡して早期成約を狙う。
という2つの選択肢から行動に移ります。
ここで管理会社自身が集客力を持っている場合、①の選択肢だけで事足りるケースもあります。

ウチは賃貸仲介会社さんの力を借りなくても大丈夫!自分たちの管理物件は自分たちで入居者を見つけて仲介手数料を報酬として受け取ります!
①の選択肢だけで空室を埋められる管理会社であれば広告もきちんと出しているケースがほとんどなので、ポータルサイト経由での反響や直接の来店でお客様を集め、空室の50部屋の中からアナタに最適な物件を紹介してくれることでしょう。

ウチみたいなところだと仮に自社管理物件50部屋の空室から見つけられなかった場合はレインズに公開されている他社の物件まで紹介してあげる事もありますよ!
ここでは覚えなくても良いですが補足として。
レインズ=不動産会社ならどこでもほぼ無料で利用できる業者間ネットワークみたいなもの
売買でも賃貸でもここに情報を載せておけば他の不動産会社でも自由にその物件を紹介してくれますし、逆にここに載っている物件であれば自由に紹介しても良い仕組みになっています。
さていつも寄り道してしまうのは反省しなければですね。話を戻します!
集客力のある管理会社にとって管理物件の空室は大事な仲介手数料売上に繋がる立派な収入源となります。
仲介手数料=家賃1ヶ月分×税率 となっておりますので、
家賃50,000円の物件を成約させれば55,000円の仲介手数料を報酬として得ることが可能です。
しかしこの手法では管理会社の集客力に余程の自信がない限り物件成約までのペースが遅くなってしまい、その空室期間が長引いてしまうリスクが高くなります。空室期間が長くなればオーナーにとっては死活問題です。

この管理会社に任せてたんじゃダメかも。他の実績ある管理会社にお願いしようかな?
こうやって管理が減ってしまうと管理会社の根幹である「管理報酬」の収入が減少してしまいます。
そこでほとんどの管理会社は自社での集客を最低限に抑えて他の賃貸仲介会社に入居者募集をお願いしたり、レインズに掲載して幅広い不動産会社に紹介してもらうよう行動するのです。
賃貸仲介会社の集客力は凄いですし、色んな管理会社が公開している最新の空室情報から物件を紹介してくれますし、たくさんの物件に案内することが出来る人員も確保しています。なので必然的に賃貸仲介会社が管理会社の物件を決めてくれるケースが多くなることでしょう。

物件を気に入ってくれた人がいたんで申し込みます!
当然仲介手数料はこっちでお客さんから貰いますよ。

仲介手数料が貰えないのは残念だけど早く決めないといけなかったから助かったよ。
これにて一件落着です。
が、空室を賃貸仲介会社に決めてもらうと管理会社は仲介手数料が貰えません。管理会社目線では仲介こそ出来ませんでしたが契約書類の作成や賃貸保証会社の手引きなど、従業員を使って様々な事務作業が残っています。こうなるといくら集客力が低い管理会社だとしても極力頑張ってお客様を直接集客したいと考えるはずですよね?
しかし現実にはほとんどの管理会社が直接の集客に全力を尽くしたりはしません。長くなってしまいましたがこの理由を知れると賢い交渉が出来るようになりますよ。
物件成約時にオーナーから貰える「広告料」
賃貸仲介会社に物件の成約をしてもらったケースで考えてみましょう。
お客様は契約してくれた賃貸仲介会社に家賃1ヶ月分の仲介手数料を支払います。
仲介手数料という項目は最大で1ヶ月分までしか受け取れない項目です。
従ってこのケースでは管理会社がオーナーからも仲介手数料を得ようとした場合重大な違反行為となります。

じゃあ物件成約したタイミングで管理会社がオーナーから報酬を受け取ることは絶対に出来ないということですかね?
いいえ。ここに例外があります。
違反になるのはあくまで「仲介手数料」として受け取ってしまった場合です。
「広告費」「広告料」「広告宣伝費」など別の項目で請求するのであれば違反にはなりません。
※それでも考慮すべき点はありますがここでは割愛します
つまり

早期成約に向けて頑張りますので、物件が無事決まったら広告料として1ヶ月分下さい。

まあすぐに決めてくれるならいいか。。。
のように事前に取り決めを交わしていれば、例え賃貸仲介会社経由で物件が成約したとしても、管理会社はオーナーから報酬を頂ける仕組みが出来るということになります。
もちろんこういった報酬を全く貰っていない管理会社もありますし、物件によってこういった報酬を設けているか設けていないかも変わってきます。
また数か月空室が続いている物件に関しては更に広告料を+1ヶ月分、決めてくれた賃貸仲介会社にオーナーから支払うような条件が付くこともあります。状況次第でこの広告費も変動していくため、モノによっては賃料×4か月分の広告料を支払いますと記載があった物件も見たことがあるくらいです。
そうなれば当然賃貸仲介会社は燃えます。やる気マックスです。広告料をたくさん付けてでも決めたい物件というのはどこかしら条件の悪い物件だったりすることが多いのですが、言葉巧みに紹介して契約まで結びつけようとするでしょう。

賃貸仲介会社で「そんなに私が気に入っていないと分かるはず。なのにやたらこの物件推してくるな~」って思ったら要注意!その仲介会社がたくさん広告料を貰えて儲かる物件かもしれませんよ!
なお人気があって空室が出てもすぐに決まる物件に関してはオーナーも余裕がありますので、広告料などを付けないことがほとんどです。結局不動産賃貸もその時の需要と供給で条件が変わるものなんですよね。
今回のまとめ
管理会社が一番重視するのはオーナーの満足度向上
管理業務を代行しながらオーナー所有物件の入居率を100%に近いところでキープし続けることで、オーナーの賃料収入を最大化し、信頼を得ながら管理報酬を毎月安定収入として受け取りたいんです。
オーナーから広告料を貰えることが多いから集客に注力しなくても大丈夫
管理会社が積極的に広告を出さない理由の一つですね。市場で決まりにくい物件だと特にこの広告料が多く付いたり、家賃が安くなったりします。シンプルにそうしないと入居者が集まらないからです。

決まりにくい物件の例としては
・設備が古いのに賃料が安くない
・駅から遠い物件
・築年数が古くてリフォームされてない物件
などなど。。。
こういった決まりにくい物件の条件でアナタが気にしないものがあればそれこそが穴場物件だったりもしますが、それはまた別の話ですね。
この広告料が付いている物件かどうかは不動産会社にしか分かりません。なので特に賃貸仲介会社に紹介してもらう物件では「相手都合で物件を紹介されていないか?」を頭の片隅に置いておくと良いです。
ただしそれを逆手にとって賃貸仲介会社に交渉するのもアリです。
広告料が1ヶ月分付いている物件ならアナタが交渉して仲介手数料を0.5ヶ月にしてもらったとしても、相手目線では合計で1.5ヶ月分の売上になりますからね。

いま目の前で紹介してくれている物件はどんな人がオーナーでどこが管理していて・・・
のように、実際に特定出来ないまでもその物件を取り巻く背景の仕組みを知れると上手な交渉が出来るようになりますよ。
広告料という項目が出来てしまっていることに問題があるのでは?と思う気持ちも分かりますが、現実問題それが業界に定着してしまっているのも事実です。皆様にはこういった背景まで理解したうえで、上手に現行ルールを活かしてお得な取引をして頂けたら嬉しいです!
物件を借りるなら必ずどこかで管理会社と関わることになるので知っておこう。
少し難しい内容になってしまいましたね。今回の記事では「管理会社が何をしている会社で、どうやって売上を上げているか」が何となく掴めていればOKです!
アナタが興味を持った物件には、目の前の不動産会社だけでなく物件のオーナーや管理している管理会社がいて、それぞれが自分たちの利益のために活動しているってことを抑えておきましょう。
また別記事で「管理会社と仲介会社の関係性」や「賃料や仲介手数料の割引交渉が行うために集客力のある管理会社を見つける方法」についても書かせて頂きます!
ではまた他の記事で会いましょう!
コメント
お久しぶりです。
井上です。
前回メールしたのですが、お返事がなかったので、こちらの方からご連絡もさせていただきます(画像はメールの方につけてます)
アンケートですが、ZOOMによるインタビューまで行かず、ここで一旦打ち切りになりました。
そこで、おまたせしていましたので、謝礼(3000円)をお支払いいたしたいとおもいます。
長くかかってすみません。
相手先から、領収証が必要なので、銀行振込がいいのかと思ったのですが、
口座番号や名前も必要なため、個人情報(特に口座番号)に触れるので、
以下のほうが良いのではないかということになりました。
ただ、領収証は必要です。
①まず、paypayをスマホに入れられているでしょうか?
2. 携帯電話番号/PayPay ID宛てに送る←この方法が良いかと。
https://paypay.ne.jp/guide/send/
上記の方法で送りたいのですが、よろしいでしょうか?
建て替え払いになるので、領収証は必要ですので
写メを撮って送ってもらえないでしょうか?
領収証の見本と領収証を画像にして送っております。
一旦、ダウンロード書いていただいて
(もっていらっしゃるのであれば、それに書いていただき)
写メして、私のメール
suehirosann@tachibanaya.info
まで送っていただけないでしょうか?
お手数をおかけします。
オヤセン 井上博喜
https://jidou.gyakutai-dame.com
080-8045-2076