サザエさんの『花沢不動産』が現代でも生き残れているのは何故か?

豆知識
青二才
青二才

ハローハロー。青二才と申します。

〇簡単なプロフィール

マグロの赤身が大好きなアラサーの一般男性。不動産テック関連の仕事に約10年間従事。宅建免許持ち。

今までに様々な業態の不動産会社500社以上とお付き合いさせて頂きました。

苦手なのはボクシングでボコボコに殴られること。

突然ですがアナタは「サザエさん」というアニメをご存知ですか?

私はご存知です。

現在私はアラサーですが、恐らく多少年齢が離れている世代の方にとっても

「日曜夕方過ぎにダラリと放送されていて、観ているとすぐ隣まで来ている月曜日の足音に気付いてしまい絶望するアニメ」

という認識は共通なのではないでしょうか。

時代背景はWikipediaによると「終戦直後の復興期~高度経済成長期」と説明されていたので、まあ古き良き昭和時代を表しているのかと思われます。

青二才
青二才

今回はそんな国民的アニメに登場する人気キャラクター「花沢さん」のお父さんが経営している「花沢不動産」について語っていきます。

なぜこのテーマを選んだのかというと、先ほど偶然見つけた本のタイトルが私の脳にこびり付いたからです。

引用元:http://www.sazaesan.jp/characters-7.html

本のタイトルは『サザエさんの「花沢不動産」はなぜ潰れないのか? 』というもの。

ああ、なんて魅力的なタイトルなのでしょう!と私は興味津々になりました。

しかしすぐに気付いてしまったのです。

私は現代に生きる「花沢不動産」のような会社と何度もやり取りしたことがあるな、と。

なかにはむしろ店舗の佇まいは同じくらいですが、仕事をするぞ!という意欲は花沢不動産の方が高いんじゃないかなと感じるくらいの不動産会社もありました。

アナタの身の回りにも、昔ながらの雰囲気を残したままの不動産屋ってありませんか?

お客さんなんか全然入っていないような。どうやって収益上げてるんだよみたいなところです。

こういった不動産屋は、実はちゃんと儲けているパターンが多いんです。意外に思いませんか?

そこで今回は現代に生きる花沢不動産が今も悠々自適に生き残っている理由を推察し、解説していこうと思います。なんだか一見あまり参考にならなそうな内容で申し訳ありません。

青二才
青二才

結論から申し上げますと、間接的に関わってくることがあるから花沢不動産みたいな会社のビジネスモデルを把握しておくのは決して無駄じゃないと思いますよ!

では解説を始めさせて頂きます!

推察理由①貸主物件を所有している

一つ目の推察理由は「貸主物件を持っていて毎月賃料としての安定収益を得ている」です。

そもそも不動産業界は誰でも参入しやすい業界です。取り扱う商材も不動産なので単価が高く、上手く経営すれば大きな収益を生むことが可能なお仕事です。

反面、魅力的な業界だからこそ毎年多くの不動産会社が新規参入し、多くの不動産会社が撤退・廃業しています。

そんなライバルの多い不動産業界で生き残っていくには「いかに計算できる安定収入を用意しておけるか」がカギとなります。

青二才
青二才

そのうちの1つが「毎月の賃料収入」です。

実際に結構多いパターンなのですが社長自身が複数の賃貸物件を所有していて、その賃料収入があるからこそゆとりを持った経営を行えているなんて事はザラにあります。

もちろん賃貸物件である以上空室リスクは付き纏いますが、自身が不動産会社であれば取れる選択肢も多くなります。自ら広告を出して入居者募集しても良いですし、お客さんを見つけて来て貰えるように他の不動産会社に募集(客付け)をお願いしても良いのです。

賃料収入であれば大体の収入を予想することも出来ますので、無理なく営業することが可能になります。

花沢不動産も時代背景こそ違えど、そんなにガツガツ営業している印象はないですよね?

もしかしたら1ヶ月で1件も物件を成約させなくても問題ないくらい、賃料収入があるのかもしれません。羨ましいですねえ。

貸主物件を所有している不動産会社は、積極的にお客さんを呼び込む必要がないことが多いです。なぜなら毎月、賃料という安定収益を得ていて経営基盤が強固だから。

青二才
青二才

私自身若いころ、仲良くさせて貰っていた花沢不動産みたいな不動産屋に「どうやって稼いでいるんですか?」と直球で尋ねたことがあるんです。その時に「正直何もしなくても賃料あるから食べていけるんだよね」と言われて「はえ~」と思いましたね。

推察理由②近隣のオーナーから賃貸の管理を任せられている

二つ目の理由は「賃貸管理業務がメインで、毎月管理報酬という安定収益+αを得ている」です。

これは一つ目の理由とセットになっているケースも多いです。

賃貸管理業務は賃貸オーナーから物件の管理代行を受けるイメージです。

様々な業務を行う代わりに、対価としてオーナーから一定割合での管理報酬を毎月頂けます。

賃貸管理会社がどんな仕事をしていて、どのように利益を上げているかについての詳細はここで書くと長くなってしまいます。別記事でまとめてありますので、気になる方はコチラの記事もご覧下さい。

青二才
青二才

管理業務は管理する戸数が増えれば増えるほど忙しくなります。なのでここではあくまで「ほどほどの戸数での管理を行っている会社」と理解して頂けるとイメージ通りです。

このケースでは管理業務をこなす忙しさがあるぶん先ほどよりも負担がありますが、入居者の募集を他社(賃貸仲介会社)に任せていれば接客対応の負担を軽減することが出来ます。

管理報酬という毎月の安定収益に加えて、定期的入居者の入れ替えが起きたタイミングで仲介手数料や広告費といった単発売り上げも入りますので、これまた経営基盤は安定します。

ただし管理戸数が増え過ぎてしまうと一人では対応できない業務量になるため、人を雇うコストが発生します。この辺りのバランスをどう考えるかは難しい判断になると思います。

花沢不動産みたいな佇まいの不動産屋で、無理のない範囲で管理業を行っている会社は結構ありましたね。また特徴として「長く付き合いのある地主系オーナー」から管理を受託している事が多いので、しょっちゅうオーナーが店に来て仲良くお茶とかしてるイメージがあります。

また地主系オーナーであれば仲良くしている事で「資産運用のアドバイス」「税金対策」「相続が発生した時に相談を受けやすい」などの他の案件化にも繋がりやすいのも大きなメリットです。

賃貸管理メインの花沢不動産みたいな会社は、これまた積極的にお客さんを呼び込まなくても大丈夫です。なぜなら管理報酬+αで安定収益を得ているうえに、お金に余裕がある地主系オーナーと円満な関係を築けているケースが多いから。

これまた羨ましく感じるかもしれませんが、有力なオーナーと良好な関係を築いていくのも立派な経営戦略です。劇中の花沢不動産もこうした管理をいくつか受託している可能性が高いと思われます。

推察理由③不動産業界内の横繋がりから良い案件が巡ってくる

最後に挙げられるのが「他の不動産会社から良い案件が巡ってくる」です。

現在でもそうですが、古くから経営している不動産屋は会社同士が仲良くなっているケースも多いのです。

「良い案件」なんて言われても流石にざっくりし過ぎですよね。色んなパターンがあるので、過去に私が見たことのある事例を一つ紹介します。

これも花沢不動産のような、地元に根付いた会社でした。しかも社長は結構な高齢でインターネットを使えないような人です。今回はA不動産としましょう。

A不動産
A不動産

見てよ青二才君。結構良い物件仕入れたと思わない?

青二才
青二才

どれどれ、土地ですか。

へー、駅からは離れてますけど道路付けも良いし整形地ですね。

しかも坪単価も安い!どこから紹介して貰ったんですか?

A不動産
A不動産

B不動産さんから紹介して貰ったんだよ。相続絡みで早めに現金化したいって言っているお客さんがいてね。古家付きで解体したから時間掛かったけど、安く買えたから今度お返ししないとね。

青二才
青二才

B不動産さんは自分で買わなかったんですね。儲かりそうなのに何ででしょう?

A不動産
A不動産

最近他の物件を仕入れたって言ってたからそっちで忙しかったみたい。その代わり私が仕入れた物件はB不動産さんに販売任せる予定だよ。

青二才
青二才

はえ~

一部脚色した箇所もありますが大筋はこんな感じでした。

めっちゃ簡単にまとめると、

A不動産➡本来なら買えないような条件でB不動産から紹介を受け、古い家が付いているままの土地を購入。いらない古家を壊して売地として販売予定。解体まで込みで安く買っているから市場価格で売るだけで儲けが出る。

B不動産➡何らかの理由で自ら買うことをせずにA不動産へ案件を紹介したが、その売地の販売を専任介で受けているので、成約させればノーリスクで仲介手数料を受け取れる。

といったように双方にとってメリットがある取引になっています。

実際にはもっと複雑な事例もありますが、不動産業界では横の繋がりを大事にすることでこういった美味しい案件が転がってくることもあるんだよという事が伝わりましたでしょうか?

青二才
青二才

しかもこのケースでのA不動産さんは販売すらB不動産さんに任せているので、一般のお客さんに対する接客対応も一切行いません。

年に1~2回こういった案件を捌けば1年間何もしなくても食べていけるなんて羨ましい事例も決して少なくないです。

注意すべきは「物件を仕入れて売る」という行為には優れた目利きも必要だということです。

またノーリスクな訳ではなく、仕入れ値を見誤ったり市場相場の動きを読み間違えれば大きな赤字になる可能性もあります。

この辺りは一見すると楽して稼いでいるように見える不動産会社でも、ちゃんとリスクを取っているからこそ大きなリターンを得ているという事が分かりますね。

花沢不動産のような会社は「業界の横繋がり」を大事にしている事が多いので、良い紹介案件が巡ってきたりします。

その結果良い条件で物件が仕入れられれば、販売は他社に任せちゃう選択肢も取れるので、結果的にお客さんを呼び込むのに注力する必要がなくなります。

ではまとめに入ります。

今回のまとめ

さて、ここまで「500社以上の不動産会社とお仕事をしてきた私が実際に体験した、現代の花沢不動産が今も生き残っている理由」を解説してきました。

時代背景もあって私の中での花沢不動産のイメージは「インターネットが無い時代で上手に立ち回り、賢く売上を上げている会社」というものでしたので、これだけネット全盛の時代でも旧式のやり方を曲げずに経営し続けている会社=現代の花沢不動産だと認識しています。

青二才
青二才

総じて言えるのは「一般のお客さんを呼び込んで物件紹介に力を入れている会社よりも、そんなことをしなくても充分食えるだけの安定収入がある会社の方が強い」ということです。

記事で書いた3つの推察理由に当てはまるような会社なら、どんなに古い佇まいの不動産屋でもしっかり稼いでいるっていうのが結論ですね。

とは言え「じゃあ街中にある古そうな不動産屋さんで物件を紹介して貰えば良いってこと?」

と聞かれればそれはあまりオススメ出来ません。シンプルにネットを使いこなせない会社が多いので、求めている物件を技術的に紹介出来ない可能性が高いです。また他社の物件を紹介するのは少なからず労力が掛かりますので、あまり積極的にはやりたがらないんじゃないかなとも思います。

よって今回、皆さんに覚えておいて欲しいのは「ネットを見ていて気になる物件があったとして、その物件の売主or貸主が現代版花沢不動産のケースがある」という事です。

物件が公開されているならば、その物件には必ず持ち主がいます。

持ち主が不動産会社なのか一般のオーナーなのか、すぐに把握するのは難しいですが、もしも花沢不動産のような会社が持ち主だと分かったら、頑張って仲良くなってみるのも吉です。

結構な高確率で「若くて礼儀を知っている人」であれば可愛がってくれますよ。

青二才
青二才

再現性がないので積極的に狙いに行けるわけではないですが、間接的に関りが持てたら是非チャレンジしてみて下さい!身内になれれば「不動産業界の横繋がりで得た情報」など、有益な情報を善意で教えてくれるようになったりもします!

サザエさん劇中の花沢不動産が私の予想通り儲かっているならば、将来2代目社長になれるかもしれないカツオ君が羨ましい限りですね。

ではこの辺りで。

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