
ご機嫌麗しゅう。青二才と申します。
〇簡単なプロフィール
マグロの赤身が大好きなアラサーの一般男性。不動産テック関連の仕事に約10年間従事。宅建免許持ち。
今までに様々な業態の不動産会社500社以上とお付き合いしてきました。
特技は光化学スモッグの発生が即座に分かること。
突然ですが、アナタは「センチュリー21」という会社を知っていますか?

とても有名な会社なので名前くらいはご存知の方が多いのではないでしょうか。
洗練された店舗デザイン。ホームページもキレイで物件情報も充実。スタッフがみんな同じ色のスーツを着ていて統一感がある。
全国に店舗展開も行っているため、まさしく「大手不動産会社」って感じですよね。

先にネタばらししちゃいます。
センチュリー21の不動産会社=大手とは限りません。
え、大手じゃないの?と思った方は是非この記事を読んで誤解を解いて下さい。
そんなの知っているよ!と思った方は別角度で新たな発見があるかもしれません。是非この記事を読んで下さい。心よりお願い申し上げます。
センチュリー21の不動産会社、どんなビジネスモデル?

まずは上記設問に対しての回答から。
〇(株)センチュリー21・ジャパンはFC事業(フランチャイズ事業)がメインの会社です。
➡センチュリー21自体は不動産会社ではありません。不動産会社がセンチュリー21に加盟することでそう名乗れるようになるイメージです。
はいそうなんです。
センチュリー21はフランチャイズ事業がメインの会社なのです(2回目)。
フランチャイズ事業と言えばコンビニを想像する人もいるのではないでしょうか?
セブンイレブンのフランチャイズ店になることで「セブンイレブン」という名前を名乗れますし、商品・サービスも同様のものが利用できるようになります。代わりにロイヤリティ(使用料)を本部に支払います。
それの不動産会社バージョンだと思って頂ければOKです。

つまり「センチュリー21の不動産会社」という表現はやや的を外していて、
正確には「センチュリー21に加盟している不動産会社」が正しい表記だと言えます。
なのでセンチュリー21の加盟基準を満たし、ロイヤリティさえ払える不動産会社であればどんな小さな規模の会社でもセンチュリー21に加盟出来ます。
全国に店舗を展開しているのではなく、全国の不動産会社が加盟しているってことなんです。別に支店じゃないですし。
センチュリー21=大手不動産会社という認識が間違っている事の証明になりますね。
不動産業界には結構たくさんFC企業がある件
今回の記事では分かり易くしたかったので「センチュリー21」を例に挙げさせて頂きましたが、同様のフランチャイズ事業を行っている会社、有名どころを挙げさせて頂きます。
〇アパマンショップ
・・・全ての店がスプレーを爆発させるわけじゃありません。
〇ピタットハウス
・・・今だと小島瑠璃子さんが可愛らしいですね。
〇リクシル不動産ショップ
・・・数年前までは「ERA」という名称でした。
〇ハウスドゥ!
眼鏡キャッチャー、古田さんをキャラクターに起用しているイメージ強いです。
パッと思いつくのはこの辺りですね。
どのFC企業もCMなどの広告を上手く活用して認知度を向上させているので、大手不動産会社だと認識している方も多いのではないでしょうか?

それがFC企業の戦略なので別にそう認識している事が悪いわけではないですよ!
ここで状況がややこしくなってしまうのですが、なかには「直営店」を持つFC企業もあります。
直営店というのはそのFC企業自体が不動産部門も持っていて、FC加盟店とは別に存在しているイメージです。
でも「直営店」か「FC店」かを見分けるのは非常に簡単なので是非紹介させて下さい。
★直営店★
➡ピタットハウス 横浜店のように「FC名+エリア」のような表記になっている。
☆FC店☆
➡ピタットハウス (株)○○不動産 のように「FC名+不動産会社名」の表記になっている
不動産系のFCに加盟している不動産会社には元々の社名がありますからね。
大抵よく見ると「センチュリー21 ○○エステート(株)」みたいに社名が併記されてるんです。
気になる方はここで見分けるようにしてみて下さい。
不動産会社がフランチャイズに加盟するメリット

では何のために不動産会社はFCに加盟する道を選ぶのでしょう。
以下にその理由をまとめさせて頂きます。
①知名度が高い看板を掲げられるので、加盟していない時よりも高い集客が見込める。
②知名度が高い看板を掲げられるので、物件を売りたい人に対しても安心感を与えられて売却案件を獲得し易くなる。
③FC企業が持つ経営ノウハウ・基幹システム・洗練されたサービスを利用できる。
④FC加盟店内でコミュニケーションを取り、意見交換・情報共有できる
などですね。要因として大きいのはやはり「知名度の高い看板を掲げられる」ことだと考えられます。
冒頭の内容に戻ってしまうのですが、皆さんがこうしたFC企業を「大手不動産会社」と誤認している状況はむしろ、FC加盟店にとっては多大なるメリットと言えます。
不動産を買いたい人も売りたい人も、どこの馬の骨かも分からない不動産会社に任せるよりは「大手不動産会社」や「実績のある会社」に任せたいと思うのが一般的ですからね。
そのためセンチュリー21のようなFC企業が努力するのは不動産の実績ではなく「ブランドイメージ」「認知度向上」などの社名ブランディングです。頑張ってCMや広告を打ち続けているのはそれが理由です。
不動産会社がフランチャイズに加盟するデメリット

①毎月支払うロイヤリティが高額
②風評被害を受けやすい
一つ目は分かり易いですね。「知名度の高い看板」も「経営ノウハウ」も、無料のはずがありません。
いくら集客力が高くなるといってもそれが売上に直結しなければ、むしろ支払うロイヤリティのぶん赤字になってしまうリスクを背負っているのです。
そのため経営が苦しくなってきたFC加盟店は、潰れる直前に看板をはく奪されたりもします。
その逆で「FCの集客力に頼らなくても売上を確保できそうだ」と判断する加盟店も、支払うコストが勿体ないので脱退することがあります。

じゃあ二つ目の風評被害って何でしょう?
風評被害とは「他のFC企加盟店が犯した悪評によって自社の評判まで下がる」ということです。
分かり辛いかもしれないので以下に具体例を挙げてみます。

そろそろ家買おうと思っててさ~
ぼったくられたくないし、良い不動産屋を知りたいんだよね。

あ、わたし前にセンチュリー21で物件紹介して貰ったんだけど最悪だったよ!
めちゃくちゃ強引な営業されてムカついた!

はえ~そうなんだ。じゃあ俺もセンチュリー21だけは行かないようにするわ。
先ほどからお伝えしている通り、センチュリー21などに加盟している企業は基本的にそれぞれ独立した会社です。
とあるFC加盟店で仮に嫌な対応をされたとしても、その他のFC加盟店には全く関係がない話なんです。
それでも一般のユーザーが「大手不動産会社」と認識しているならば、こんな感じの会話が繰り広げられるとお客さんになる可能性があった人を少なくとも一人、風評被害で失うことになってしまいます。
これらが「不動産会社がFC企業に加盟するデメリット」となります。

いつぞやのアパマンショップでの爆発事故はFC店舗ではなく直営店だったようですが、
これもFC加盟店にとっては関係がないのに風評被害を受けた事例です。
買主「じゃあFC加盟店は大手じゃないから安心出来ないってこと?」
今回の記事もまとめに入ります。
ここまでセンチュリー21を引き合いに出して「不動産業界におけるフランチャイズ事業」について説明をさせて頂きました。
センチュリー21、アパマンショップ、ピタットハウスなどの看板が付いている企業=大手不動産会社とは限らないって事が伝わったかなと思います。
では最後に、今回の記事での結論をお伝えしますね。
FC企業の看板ではなく(大体その下に書いてある)不動産会社名で判断しましょう!
その会社が信頼出来そうな会社なら仮に大手じゃなかったとしても大丈夫です。
これに尽きます。大手不動産会社とは限らないと記載しましたが、決して安くないロイヤリティを払えるだけの体力がある会社であることは間違いないため、そのエリアでそれなりに力を持つ企業である可能性は高いのです。
なので必ずFCの看板に惑わされる前に、その会社の本質=会社名を確認しましょう。
そのうえでHPを見るなり店舗の様子を見るなりして、信頼がおけそうな不動産会社かを判断すべきなのです。

FC看板があろうとなかろうと「不動産会社」であることには変わりありません。
その会社の企業努力でFCに加盟しているだけなので、フラットな目線で不動産会社選びを行うように出来ると良いですね。
そもそも良い物件に巡り合うための不動産会社選びで「大手の方が良い」とは言い切れないという事実もあります。
今度この「不動産初心者が陥りやすい大手不動産会社信仰」に対する記事も書こうかなと思います。
では今回はこの辺りで。間違ってもFC店舗を大手不動産会社と勘違いして「センチュリー21はダメ」みたいなアドバイスをくれる方の意見を鵜吞みにしないようにして下さいね。
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