【売却査定サイトのリアル①】現在の値段を知るためだけに利用するのはアリ?

売却(家を売る)

こんにちは。青二才と申します。

〇簡単なプロフィール

マグロの赤身が大好きなアラサーの一般男性。不動産テック関連の仕事に約10年間従事。宅建士免許保有。

今までに様々な業態の不動産会社500社以上とお付き合いさせて頂きました。

かゆいところに熱々のドライヤーを当てるのが趣味。

さて。今回は初めての長編企画です。

青二才
青二才

早速ですが一つお尋ねします。

アナタは売却査定サイトについてご存知ですか?

突然過ぎましたね。失礼いたしました。

と言うのも2020年以降のコロナ禍において不動産価格が爆上がりしているため、

「今住んでいる物件、仮に売ったらいくらで売れるんだろう?」

「購入時より高く売れる可能性あるよね?それだけ知りたい!」

みたいな考えをお持ちの方が増えてきている背景があります。

どういったロジックでコロナ禍以降の不動産価格が上昇しているのかについては諸説ありますし、持論もあるのですがそれについてはまた別の記事で書かせて頂くとして。

上記のように物件の売却という選択肢が浮上してきた方々が最初に辿り着くサービスの筆頭が、

「売却査定サイト」なので、

その内容で皆様にお伝えしたい重い想いをぶちまけていきたい所存なのでございます。

☆売却査定サイトとは!?

「物件を売りたい人」「不動産会社」をマッチングするサイトのこと。

物件の簡単な概要を入力するだけで、そのエリアを得意としている複数の不動産会社が無料で査定金額を算出してくれる。

複数の不動産会社が具体的な金額を提示してくれるので、一番高い金額で出してくれた会社にそのまま売却を任せるケースが多い。

最近では無料のサービスである事を最大限活かし、今住んでいる物件の価値がどうなっているかを確認するためだけにサービス利用する顧客も増加している。

また査定は机上査定のみで希望を出す事も可能。

※机上査定・・・実際に訪問する事なく、WEB上で査定を行ってもらう方法

↑ざっくりまとめさせて頂きました。

既に物件を保有している方々にとって、物件の売却に関わる部分はとてもデリケートです。

どこの不動産会社に売却相談すれば良いかも分からない顧客が多いのであれば、その切っ掛けとしての利用が出来る当サービスの需要が高まるのも当然の流れ。

またここでは割愛しますが、不動産会社にとっても物件売却を検討している顧客の獲得には血眼になる理由があります。

↑記事内2-3「専任媒介」の項目に不動産会社が本気になる理由が記載されています!

一般の顧客と不動産会社からのニーズが高いサービスはどんどん成長していきますから、

今や「売却査定サイト」はちょっとGoogle検索すればワラワラ出てくるレベルで飽和しています。

・・・さあここからが本題です。

そんな便利な売却査定サイトですが、色々とトラブルが多いのも事実。

もちろん取り扱っている商材が不動産という高額なものですから多少は仕方ないのですが、それを差し引いても多いのです。

青二才
青二才

なぜ売却査定サイトの利用に不満が生じてしまうケースがあるのか。

これはサービスの性質を「売りたい顧客側」が誤認しているからに他なりません。

でも誤認してしまうのは当たり前なんです。

不動産会社側の視点を把握出来ていれば話は別ですが、それを知る方法が少ないのですから。

そこで今回は私こと青二才が、不動産会社の営業マンだったら決して言えない

『売却査定サイトのリアル』

を不動産会社側の視点を織り交ぜながら解説していこうと考えています!

青二才
青二才

売却査定サイトは不動産ブロガーにとっての貴重なアフィリエイト収益源でもありますから、本来こんな記事を書いている暇があるなら査定サイトの良いところばかりまとめてそっちに誘引するべきなんでしょうね。

でも良いんです。とにかく差別化を図らないと生きていけませんから。

なお一つの記事にまとめようとしたらとんでもなく長くなってしまいましたので、分割して複数の記事に分けて一本ごとのボリュームを減らす予定でいます。

①住んでいる物件の「今の価値」を知りたいだけで利用するのはアリ?

TAMAGO「気にせず利用しても良いの?」

不動産会社「売る気ゼロなら正直やめて欲しいっす」

いきなり本音を引き出してしまいましたね。

でもそうなんです。

どうして不動産会社が売却査定サイトを利用するのか、という点から考えてみましょう。

まず第一に不動産会社は基本的に全ての会社が、物件を売りたい顧客の確保に全力を尽くしています。

理由は単純です。元付会社になれれば最低でも片手仲介、最高で両手仲介が見込めるから。

↑両手仲介についてはこちらでカンタンにまとめてあります。

要するに物件売却を考えている人はそれだけで不動産会社にとって超最優先で確保したい顧客になり得るのです。

青二才
青二才

他の不動産会社も売却検討客の獲得には全力を尽くしますからここに競争が発生します。

勝ち取るために各不動産会社は「物件売却サイト」に登録し、広告費用を支払うわけですよ。

スーモなどのポータルサイトと同じように、一般人が無料で利用できる裏で不動産会社がお金を払っているからこそサービスが成り立っている事実をまずは押さえておきましょう。

ではここからは会話方式で進めます。

売る気無い美
売る気無い美

このマンション家族で住んでるし売る気は全くないけど、今いくらくらいの価値があるかだけ気になるなあ。この査定サイトで無料一括査定してくれるみたいだから見てもらおう♪

でも電話とか来るのはイヤだから「机上査定のみ」「売る気はない」とも書いておこ。

———物件情報を入力完了!問い合わせが不動産会社に入りました!———

不動産会社A
不動産会社A

査定サイトから反響入ったぞ!どれどれ・・・

不動産会社A
不動産会社A

あーまた「売る気ない客」かよ。

査定額出して連絡しても繋がんないんだよなー。

不動産会社A
不動産会社A

こっちも時間とお金を掛けて仕事でやっているって事が分からないのかね?

別に100%売りますって人じゃなくても良いから、せめて連絡が繋がるようにしてくれないと長い目で見てもタダ働きだよ。

しかもこれ他にも何社か問い合わせ行っているだろうしな。

不動産会社A
不動産会社A

まあ僅かでも返信が来るように高めの査定額を出しておくか。

以下、B社からE社までの計5社に問い合わせが入っていたが全てA社と同じような対応をしたと仮定。

売る気無い美
売る気無い美

5社から返信が来た。査定額はどれも買った時からほとんど変わらないわ!

むしろ高くなっている査定もあるくらい!

良かったあ。良い買い物してたって証明ね♪

何か電話も来ているけど売る気ないって言ってるんだから出ません。

はい。

まあ一例ですが、売る気のない問い合わせに対して不動産会社の本音はこんなものです。

査定サイトにもよりますが、月額無料の反響課金型という料金システムのところも多いので、問い合わせが入った瞬間に数千円~数万円単位の広告費が掛かる事もあります。

となれば全く売る気のない方の問い合わせは普通に返してもタダ働き確定なので、やる気なんて出る訳ないんですよね。

という事で『①住んでいる物件の「今の価値」を知りたいから利用するのはアリ?』

への不動産会社側の本音は

「冷やかしなら止めてくれ。金掛かっているから一応査定はするけどさ・・・」

になります。

青二才「売る気ゼロでも利用してOKです。ただし・・・」

ちょっと待って下さい!最後まで読んでいって!

不動産会社側の意見を踏まえて、私からの結論は上記の通りです。

確かに不動産会社にとっては売る気のない問い合わせなんて最悪かもしれません。

しかし本来だったら接点が持てていなかったはずの人と繋がりが持てるサービスなんて他には数えるほどしかありません。

元々1本の反響で媒介契約を取ろうなどと考えている方が間違えているのです。

青二才
青二才

不動産会社側が持つべき考えとしては

「10~15本に1件媒介契約が取れればOK。媒介契約が取れなかった顧客も長期的な目線でアプローチして将来の見込み客にしていこう」

くらいの根気強い思考です。短期で結果を求める会社は最初から向いていません。

なので『①住んでいる物件の「今の価値」を知りたいから利用するのはアリ?』

についての私の回答は

青二才
青二才

もちろんアリです!無料でプロである不動産会社達からの査定を受けられる機会なんて貴重ですから、サービスがあるうちは気にせず使っていきましょう♪

となります。もしこの辺りが問題視されて不動産会社が参加しないようになったら売却査定のサービスが無くなるだけですから、現段階では気にせず行きましょう。

・・・・・ただし。

青二才
青二才

現在の価値だけ知りたいとしてサービスを使う場合、一点だけ注意が必要です。

それは「実際の相場価格よりも高めに査定金額が設定されているケースが多い」という事です。

なぜそうなるのでしょうか?

それは不動産会社が少しでもタダ働きにならないよう努力しているからです。

さっきの事例で振り返ってみましょう。

売る気無い美さんはただ自分が住んでいるマンションの現在価値を知りたいだけのニーズで売却査定サービスを利用していました。

そんな人に

売る気無い美
売る気無い美

え!?それなら売っても良いかな。。。

と思ってもらうためには「想定以上の金額で査定を出して実際に売却した時のイメージを持たせる事」が最も有効な作戦になるのです。

例えば無い美さんが3,000万円で購入したマンションに10年住んでいたとしましょう。

購入時よりも価格が多少下がっていたとしても、住んでいた10年分を賃貸で借りていた場合と比較した時に優位性があれば十分良い買い物だった事になります。

で、無い美さんが「出来れば購入時とほとんど査定金額が変わらなければ良いな」なんて考えていたところに、

不動産会社A
不動産会社A

このマンション3,500万円くらいで売れると思います~

なんて査定金額を出してくる不動産会社がいたら?

売る気無い美
売る気無い美

買った時よりも500万円も高く売れるの!?ならお願いしちゃおうかな?

と考えを改める人も出てくる可能性がある訳ですよ。

こうなったら媒介契約を結べるかもしれないので、不動産会社にとっても旨味が出てきます。

当然現実にはこんな簡単には行きませんが、普通に返信してもタダ働きが確定しているなら、少し盛った金額で査定額を出した方が不動産会社的にとっては理に適っています。

で、最大の問題は以下のような受け取り方をしてしまう人が多いという点です。

売る気無い美
売る気無い美

5社から返信が来た。査定額はどれも買った時からほとんど変わらないわ!

むしろ高くなっている査定もあるくらい!

良かったあ。良い買い物してたって証明ね♪

何か電話も来ているけど売る気ないって言ってるんだから出ません。

はい、先ほどの不動産会社側の本音を説明している時の反応と全く同じセリフですね。

この場合売る美さんは「実際の相場価格より高めに出ているかもしれない査定額」

「所有しているマンションの現在価値」と誤解したまま日々の生活に戻ってしまう事になるのです。

青二才
青二才

現在の価値を知りたいという気持ちは非常に良く分かるんです。

でも不動産会社の都合で算出された査定額を実際の価値だと思い込んでしまうと、

いざ売る時になってこんなはずじゃなかった!なんて事にも繋がりかねません。

『①住んでいる物件の「今の価値」を知りたいから利用するのはアリ?』

「売る気ゼロでも利用してOKです」

⇒「ただし不動産会社にも都合があってその査定額を出しているという背景を理解し、やや高めに金額設定されているかもしれないという事実を頭の片隅に入れておく必要があります」

まあ究極を言えば

「机上査定で正確無比な査定金額の算出なんて出来ません」

って事にも繋がるんですけどね。

あくまで机上査定で知れるのはざっくりとした査定額でしかありません。

だからこそ複数社で見積もりを取るだけで金額にバラツキが出るってもんですよ。

次回予告!

今回の記事でも触れた内容なのですが、そもそものお話。

「なぜ不動産会社は査定金額を高めに出してくるのか」

をテーマにしていこうと考えています。

特に大手不動産会社こそこの手法を取るのですが、この辺りも次回説明していきますね。

※2022/09/07 追記 次回の記事は「②査定依頼を出した後にしつこく連絡は来ない?」に変更になります。

上記の予告はその次でまとめさせて頂く予定です!

青二才
青二才

今後も不動産会社の視点を織り交ぜながら、不動産関連の記事を書き続けていきます。

「もしかしたら意外にも若干僅かにタメになる内容かもしれない・・・」

と思う方がいらっしゃいましたら是非、ブックマークしてまた遊びに来てくれると嬉しいです!

では今回はこの辺りで。

コメント

タイトルとURLをコピーしました