【内見】見たい物件は決まっているんだから現地集合・現地解散で良くない?

賃貸

こんにちは。青二才と申す者です。

〇簡単なプロフィール

マグロの赤身が大好きなアラサーの一般男性。不動産テック関連の仕事に約10年間従事。宅建士免許保有。

今までに様々な業態の不動産会社500社以上とお付き合いさせて頂きました。

丸亀製麺では冷おろし醤油うどん(大)+レンコン天しか食べません。

コロナウイルス、再び猛威を奮っていますね。

この記事を書いているのが8月9日の22時なのですが、少し前のニュースで「全国で21万2552人感染」という発表があり、改めて驚異的だなと感じているところです。

感染爆発と言って差し支えない状態ですが、今のところ経済優先なのか緊急事態宣言が出る素振りはありません。

青二才
青二才

自分の身は自分で守るしかないよなと再認識しています。

そんな中、2020年のコロナウイルス騒動勃発から2年以上が経過している事もあり、不動産業界でも接客手法が大きく変化してきております。

そのうちの一つがタイトルにも書いた「現地集合・現地解散」を希望するお客様が増加したことです。

〇従来の流れ

店舗に来店してもらい希望条件を聞く

➡内見する物件を決めて社用車で複数のお部屋を回る

➡最後はお店まで戻って見積書などの提示からクロージングへ

といった流れで行われていた接客対応も、コロナ対策という側面から見ると

〇現在の流れ

店舗に来店してもらい希望条件を聞く

(店舗という空間に集まって話をするのは感染リスク高い)

➡内見する物件を決めて社用車で複数のお部屋を回る

(車という狭い空間で話をするのは感染リスク高い)

➡最後はお店まで戻って見積書などの提示からクロージングへ

(同じ空間に以下略)

てな具合で非合理的な手法と捉えられてしまうようになりました。

一昔前では考えられない事ですが、こういった時代の変化に対応出来ない不動産会社から傾いていきます。仕方のない話です。

青二才
青二才

この問題を解決する手法の1つが「現地集合・現地解散」です。

同じ空間にいるのは内見しているその時のみですから、感染リスクもかなり抑えられます。

じゃあ現地集合・現地解散で万事解決だね!めでたしめでたし!

・・・とは行きません。

実はこの「現地集合・現地解散」は不動産会社(仲介会社)目線では対応するデメリットの方が多いのです。

よってこちら側が強く希望を出さない限り、物件を紹介するなら店舗まで来て欲しいと言われることも多いと推察出来ます。

また「現地集合・現地解散スタイル」を貫き過ぎる事で、仲介会社の営業マンのモチベーションが下がり、本当に良い物件があっても紹介して貰えなくなるリスクがあるのも怖いところ。

そこで今回の記事ではコロナ感染対策という側面を取っ払ったうえで、なぜ不動産会社(仲介会社)が現地集合・現地解散を嫌がるのか、その理由を解説していきます!

記事の最後には「現地集合・現地解散」をスタンスを崩さず、営業マンのモチベも下げずに上手に「利用」する方法も記載してあります。

是非最後まで読んで頂き、可能な限り上手に立ち回れるようになって下さいね。

お客様視点。現地集合・現地解散のメリットとは?

「集合~~~~~~~~~~!!!」

まずは皆様のようなお客様目線で、物件の内見を現地集合・現地解散にするメリットを挙げていきましょう。

さっき説明したのでコロナ感染リスクについては触れずに進めていきます。

見たい物件だけ内見する事が出来る。

シンプルかつ最強のトップバッターです。

今どき不動産ポータルサイトや不動産会社のホームページ、企業SNSやYouTubeなど、お客様サイドが無料で不動産情報を確認するのも当たり前になってきていますから。

お客様
お客様

色んなサイトやSNSを見て、Aマンションの201号室が気に入ったぞ!

実物を見てイメージ通りなら契約したいけど、イマイチだったらまた自分で物件を探したいな。

こう思うタイプの人は「自分が良いと思った物件だけを見たい」傾向にあります。

見て気に入らなければ他の物件を自分で探せば良い、といったシンプルな思考回路ですね。

不動産会社=内見の手続きをしてくれてその後契約まで進めてくれる会社

というくらいに考えている方にとっては大きなメリットと言えます。

「断る」という行為をしなくても良い。

現地集合・現地解散の場合、この「断る」という行為が不要になるのも大きなメリットです。

なぜなら相手から紹介された物件ではなくて、自分から見たいと希望を出した物件だから。

お客様
お客様

Aマンション内見させて頂きありがとうございました。

ちょっとイメージと違ったのですみません、他にも物件を探してみます。

こんな感じで解散する事が出来ます。

相手から紹介された物件ではないので、気を遣わず正直に感想を伝える事が出来るんですよね。

もし半日くらい掛けて5件くらいのお部屋を内見して気に入る物件がなかったら、人によっては気まずくなってはっきりと意思表示出来なくなってしまう事もあるかと思います。

なので現地集合・現地解散はお人好しで嫌なことをはっきり嫌と言えない方にも合理的な手法と言えます。

(お互いに)余計な時間を省ける。

当たり前と言えばそれまでですが、見たい物件だけを見るという事は見たくない物件を見なくても良いという事でもあります。

従来の手法だと営業マンがお客様の希望を伺い、それに沿った形で物件を紹介します。

その後複数の物件に赴く「内見ツアー」を経て、気に入る物件があれば申込、という流れでした。

青二才
青二才

これ、無駄が多いと思いませんか?

営業マンによっては最終的に契約が欲しいので、途中にわざとグレードの低い物件を挟んでハードルを下げ、最後に一番気に入りそうな物件に内見させるなんて手法を取る人もいます。

でもそんな営業マンが契約を取るために行っている工夫、お客様からすればどうでも良い事ですよね。

いやむしろ休日の余計な時間を取られているぶん迷惑と言い換えても良いレベルです。

またこちら側がその気になっていない状態での内見引き延ばしは営業マンにとっても良い事が何もありません。

生産性という項目で見ると、お客様・営業マン双方にとって現地集合・現地解散は合理的な正しい手法だと考えられます。

ではなぜ不動産会社側は現地集合・現地解散を嫌がるのか?

実際にNOと言われるケースは少ないでしょうけど、本音はイヤだと考えています。

ここまでお客様目線でのメリットを挙げてきました。

なかには不動産会社側にとってもメリットになりそうな項目があったくらいですので、このまま不動産仲介業界の常識として定着しても良さそうですよね。

しかしここからが本題です。

現地集合・現地解散という手法が客付仲介会社(お客様に物件を紹介する業態の会社)にとって非常に厄介な存在だという点を、仲介会社目線で説明していきます。

極端な話をすれば今後、仲介会社という業態そのものが不動産業界から消滅していく可能性すらあるかもしれません。そのくらい大きな問題になり得るお話です。

青二才
青二才

「自分は現地集合・現地解散で対応して貰いたい!」という方にこそ必見内容です。

その主張をきちんと伝えるためにも、相手方の考えを把握しておきましょう。

「儲かる」物件を紹介する事が出来なくなるから

現地集合・現地解散が前提だと、お客様が希望している物件のみを紹介する事となります。

スーモなどの不動産ポータルサイトに掲載していた物件に対して問い合わせが入り、その物件だけ紹介するチャンスを貰える、てな感じの認識でしょうか。

ここで一つ問題があります。

「仲介会社がポータルサイトに公開している物件は必ずしも儲かる物件という訳ではない」

という事です。

賃貸仲介会社は自社で管理している物件だけでは取り扱う物件数に限りがありますので、他社が管理している物件であってもサイトへの掲載許可を取り、多くの物件を紹介出来る会社だとお客様向けにアピールする必要があります。

参考記事

なのでお客様が反響を入れた物件によっては、仲介会社にとって旨味が少ないなんて事もあるのです。

これが今までだったら

仲介会社
仲介会社

お問い合わせありがとうございます!ご興味があるその物件はもちろん、一般のサイトに公開されていない「非公開物件」の紹介も出来るかもしれませんので、是非一度店舗までお越し頂き、改めてお客様の希望条件を伺わせて下さい!

みたいな感じで店舗に誘導し、

仲介会社
仲介会社

希望条件、把握しました。お客様のために紹介出来そうな物件がいくつかありますので今から内見に行きましょう!

とか言って内見まで巧みにエスコートし、

心の声
心の声

(正直その物件「広告費」も付いていない他社物件だからメリット弱いんだよな。

広告費付いててほとんど条件変わらない物件あるし、そっちに乗り換えて貰えるような営業トークで頑張ってみよう)

なんて企む事も出来た訳ですよ。

「仲介手数料1ヶ月分しか貰えない物件」よりも「仲介手数料1ヶ月分+オーナーから広告費1ヶ月分」

貰える物件の方が契約1件当たりの単価が高くなりますから。

参考記事

これが出来なくなるのは営業マンにとってかなり痛手になります。

一緒にいる時間が少なくなる=仲良くなる機会も減ってしまうから

また現地集合・現地解散だと一緒にいられる時間が少ないのも不動産会社からするとデメリットです。

特に内見時に同じ車に乗っていると自然に世間話を投げ掛ける事が出来ますから。

そこで共通の話題を見つけられるとお客様のプライベートな部分に入り込みやすくなり、警戒心を解いた状態で内見に繋げられるようになります。

「不動産会社の営業マン」から「同じ趣味を持った同世代の人」など同じ一人の人間として理解してもらえると、お客様の受け取り方が変わっていきます。

同じ情報を言っていても「誰が言うか」によって受け取り方が変わるように、警戒心を解いて貰うだけで物件の成約率は一気に跳ね上がります。

仲介会社
仲介会社

でも現地集合・現地解散だと時間が短すぎて「不動産会社の営業マン」というお客様の認識を覆せないから、ホント難しくなるんよなあ・・・。

営業マンからすれば悩みの種でしょうね。

まあ個人的には

「営業マンと気が合うかどうかで今後住むかもしれない物件を決めるなんてどう考えてもおかしい」

とも思いますので、そんな営業スタイルの人間が淘汰されていくのは自然の摂理かもしれませんが。

お客様の「同情」を引けなくなってしまうから

そしてもう一つ。これも大きいと思われます。

数時間~半日。あるいは丸一日掛けてたくさんのお部屋を見せてもらうと、ほとんどのお客様は

お客様
お客様

流石に時間を使わせ過ぎちゃったから、契約するならこの営業マン経由にしてあげないとなー

なんて考えてしまうものです。割と気が合う営業マンだったら猶更です。

また「実は契約のノルマが厳しくて・・・」「今月数字が厳しくて・・・」

なんてストレートに同情を誘うようなセリフでお客様の感情に訴えかけるような話術を用いる営業マンもいるでしょう。

こうなるとそこまでお部屋に拘りがないお客様は

「○○さん良くしてくれたから、じゃああの物件で申し込むよ」

とか

「今回は気に入る物件なかったけど、また気になる物件があったら他の不動産会社が公開している物件でもまず○○さんに声掛ける事にするよ」

などと、少なくとも良質な見込み客になってくれる可能性が高まります。

青二才
青二才

人によっては「不動産会社への苦手意識」を強く持っていたりもしますからね。

苦手意識を払拭出来た営業マンに対してはリピート客にもなりますし、最終的な判断を同情で決めてくれるようにもなったりします。

ですが現地集合・現地解散だと「同情」してもらうほどの関係性すら築きにくくなります。

今どき「どこの仲介会社に行ってもWEBに出ているほとんどの物件が紹介出来ること」

は一般的にもバレてきています。

この「同情」テクニックを活用出来ないと、仲介会社は今まで通りの契約数を確保出来なくなってしまうのです。

現地集合・現地解散しつつも良い物件があれば紹介はして欲しい人いますか?

「全く。欲張りさんはこれだから困るわ。仕方ないわね」の顔

ここからは欲張りさん向けの内容です。

ここまでの内容で分かる通り、現地集合・現地解散スタイルは不動産会社目線では極力避けたい手法です。

口では「それでもOKです!」と言っても本音は違うってやつです。

でもそのスタイルを選んでいるお客様も、本音としては

・自分が見たい物件だけ内見したい

・営業マンの都合で他の物件の内見ツアーには連れて行かれたくない

・でも非公開物件とかで良い物件があるなら紹介はして欲しい

こんな事を考えているのではないでしょうか?

非公開物件なんて名前が付いているくらいですから、不動産業者しか知らない物件がもしあるなら一般人には知る術がありませんよね。

また公開されている物件でも、物件検索を上手に行わないと実はピッタリな物件を見落としている可能性もあります。

参考記事

それなら現地集合・現地解散を行いながらも営業マンに見切られない必要がありますよね?

安心して下さい。最後にまとめとしてその手法を紹介していきますね。

まとめ:現地集合・現地解散でも営業マンを上手に利用する手法を紹介

まとめに入ります。

先ほどの「ではなぜ不動産会社側は現地集合・現地解散を嫌がるのか?」に記載した3つの理由ベースで、それでも営業マンを上手に利用する方法を紹介させて頂きます。

①「儲かる」物件を紹介する事が出来なくなるから

➡「儲かる物件」が「アナタが気に入る物件」の可能性もあります。

そうなると機会損失が発生しますので問い合わせを入れる時に「他にも私に合いそうな物件があれば図面やデータで送って下さい」とメッセージを添えておきましょう。

営業マンからすれば、他にも物件を紹介出来るかもしれないチャンスが与えられているが、自分の都合だけが満たされた物件を紹介する事は出来ない状況になります。

結果、現地集合・現地解散しつつ厳選された良い物件だけを追加で紹介して貰えます。

②一緒にいる時間が少なくなる=仲良くなる機会も減ってしまうから

➡気にしないで下さい。営業マンとどれだけ仲良くなっても契約した後のお部屋は変わりません。

また仲介会社で契約した場合、住んだ後に関わりを持つのは管理会社です。

その営業マンとは仕事上だと接点が無くなりますから。

③お客様の「同情」を引けなくなってしまうから

➡同情で物件を決めるなんて止めた方が良いです。

営業マンと仲良くなるかはどうでも良いので、ちゃんと納得出来る物件を自分の意志で決めて下さい。その方が後で何かあった時にも気持ちを切り替えられます。

はい。ぶっちゃけ営業マンと仲良くなるメリットはあまりありません。

ですが良いとこ取りをしたいなら、仲介会社の営業マンが何を考えているか把握して、双方にメリットがありそうな選択肢を取った方が良い、というのが結論です。

青二才
青二才

現地集合・現地解散は非常に理に適った手法だと思います。

しかしそれをなぜ営業マンが嫌がるのかを理解しておくと、不動産会社の情報収集力も上手に活用出来るようになるので二重にお得です。

若い男性向けに言えば「ガチガチにガードを固めている女性よりも、一見少しガードが緩そうに見える女性の方が魅力的に見える」ってやつが近いかもしれません(笑)

ではこの辺りで。上手く仲介会社の営業マンを転がせるようになりましょう!

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