不動産会社しか見れない秘密のサイト「レインズ」は誰のためにあるの?

売買

どうもお世話になっております。青二才と申します。

突然ですが。

青二才
青二才

アナタは「レインズ」という言葉を聞いた事がありますか?

いいえ違います。雨粒たちという意味ではありません。

正確な意味は下記の通りとなります。

レインズ(REINS)」とは国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムです。

「Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)」の英語の頭文字を並べて名付けられ、組織の通称にもなっています。  レインズは設立以来、一貫して利用の拡大が続いており、日常生活で水道、電気、ガスが欠かせないように、不動産取引を行なううえでなくてはならないインフラ(基盤)となっています。

会員となっている不動産会社はこのコンピューターネットワークシステムにより、売りたい方、貸したい方の依頼に基づいて不動産情報を登録し、不動産業界全体が連携して買いたい方や借りたい方をお探しします。 また、買いたい方や借りたい方には登録された最新の豊富な情報の中から最適なお住まいや不動産をご紹介します。

 出典:REINS TOWER レインズとは?

はい。なんだかおカタいですね。

現代語訳するとだいたい下記の感じになります。

「不動産会社だけが利用できるめちゃくちゃ便利な最新物件情報のネットワーク@国交省が関わっているから安心だよね」

はい。砕けすぎて訳分からなくなったかもしれませんね。申し訳ありません。

つまりお客様(売りたい人・買いたい人)にとって損にならないよう、不動産業界に共通のサイトを作ってそこに一定のルールを設けてくれているということです。

よって今回の記事で書きたい内容は

  • レインズとは誰のためにあるのか?
  • レインズがある事で物件を買いたい人にどんなメリットがあるのか
  • レインズに公開されている物件を見る手段はないのか

の3点です。順番に仕組みを学んでいきましょう!

レインズとは誰のためにあるのか?

売買系の不動産会社がみんな狙う!「両手仲介」の仕組み

レインズは結論から言えば「物件を売りたい人にとって大変ありがたいシステム」です。

ただその理由を知るにはもう少し不動産業界の仕組みが分かっていた方が都合が良いと思います。

試しにまずは物件を「売りたい人」の立場から物事を考えてみましょう。

売りたい人
売りたい人

マンション売りてえ~

とっても売りたい気持ちが伝わってきますね!ですが家を売りたい場合はどこかしらの不動産会社に売却をお願いするのが基本です。

※理論的には不動産会社を通さずに買主を探しても構わないのですが、様々なリスクがあるので現実的にはほとんど行われていません

売りたい人
売りたい人

このマンション3,000万円で売りたい!買いたい人を見つけてきてね。

御社(不動産会社A社)にだけお願いすることにしたから。

不動産会社A社
不動産会社A社

分かりました!精一杯頑張ります!!

売りたい人が不動産会社に物件の売却を依頼する契約のことを「媒介契約」と呼びます。

「媒介契約」のうち今回のように1社にだけ売却をお願いするケースを「専任媒介」

1社だけではなく複数の会社に売却をお願いするケースを「一般媒介」と呼びます。

他にも1社にだけ売却をお願いする&売りたい人が自分で買主を見つけてくることを禁止にする「専属専任媒介」というのもあるのですがここではスルーします。

まあ言葉の意味までは理解しなくても大丈夫です。そう呼ぶんだなくらいに覚えておいて下さい。

以下に不動産売買に関わる仲介手数料に関してまとめておきます。

売買の仲介手数料=物件価格×3%+6万円+消費税 が上限です。

・3,000万円の物件を買う場合の仲介手数料=3,000万円×3%+6万円×消費税=105万6,000円

買う人物件を紹介してくれた不動産会社支払う仲介手数料は105万6,000円となる

・3,000万円の物件を売る場合の仲介手数料=3,000万円×3%+6万円×消費税=105万6,000円

売る人媒介契約を結んでいた不動産会社支払う仲介手数料は105万6,000円となる

売買の仲介手数料については一見すると難しいですが非常に重要なポイントです。

要は物件を買うときも売るときも仲介手数料は同じだけ掛かるってことです。

めっちゃ高いですよね。

ではさっきの「売りたい人」のケースに戻りましょう。彼は不動産会社A社にのみ売却をお願いしていますので、1社だけに依頼する「専任媒介」契約を結んだことになります。

さてこのとき、A社は何を考えるでしょうか?

不動産会社A社
不動産会社A社

この物件買いたい人を自分で見つければ仲介手数料を両方から貰えるじゃん!!

A社が買いたい人も直接見つけてくれば買主・売主の両方から仲介手数料を貰えます。

これを両手仲介と呼びます。仲介分野ではこれが一番儲かります。

  売主からも買主からも貰えるから「両手」という表現になるんだよの図

3,000万円の物件ならお互いから105万6,000円ずつ貰えるので計211万2,000円!!

売買系の不動産会社が「両手仲介」を目指したい理由が分かったでしょうか。

しかし不動産会社が「両手仲介」に意識を向け過ぎてしまうと売りたい人にとって良くないことが起こってしまいます。

「両手仲介」の落とし穴

先ほどから紹介している「両手仲介」には大きな弱点があります。

青二才
青二才

両手仲介をするには他の不動産会社がライバルになって邪魔だから、広く他の不動産会社に情報を公開しなくなってしまうんですね。

物件を買いたい人というのは全国色んな場所に何人も存在しています。

場合によっては外国人のなかにも買いたい人はいるかもしれません。

そんな人たちに物件情報を早く広めていくには1社だけの広告活動では限界があるんですよ。

そのため本来であれば売主の利益を優先してより良い買主を見つけるために、先ほどのA社は自分たちも買いたい人を探しながら他の不動産会社にも協力をお願いするのが自然な流れなんですね。

単純にたくさんの人に出来るだけ早く物件情報が行き渡った方が良いでしょって話です。

しかし他の不動産会社が仲介してくれて買主が決まったら、A社が貰える仲介手数料は売主からだけになってしまいます。これを「片手仲介」と言います。

よってA社が「両手仲介」を狙うなら他の不動産会社に一切情報を渡さず、自分たちだけで買いたい人を見つけるのが確実な手法となります。

↑上記のような現象を業界用語で「囲い込み」と呼びます。

その結果希望額より低い価格でしか買ってくれる人がいなかったり、想定していたよりも長く売れ残ってしまい値下げせざるを得なくなってしまったりと、売主が損をする状態に陥る可能性が生まれます。

不動産会社が自社の利益を優先して顧客の利益を害してしまうのでは、本末転倒ですよね。

救世主レインズが不当な両手仲介問題から売主を守る!

待ちくたびれましたよ。ようやくレインズの出番です!

冒頭にも色々書いてしまったんですが、レインズってつまりは不動産会社だけが利用できる共同のサイトなんですよ。

そこに物件情報を掲載しておけば日本全国に存在している他の不動産会社がいつでも確認出来て、いつでも買主を見つけてきてくれるって仕組みです。その代わりレインズ経由で他の不動産会社が買主を見つけてきてくれたなら、専任媒介契約を結んでいるA社は売主からしか仲介手数料を受け取ることは出来ません。

青二才
青二才

そしてレインズには売主の利益を守るために強力なルールが定めれています。

売主と専任媒介契約を結んだ不動産会社は7日以内に物件情報をレインズに掲載しなければならない!

まあルールは厳密に言えばもっと色々あるのですがここで一番重要なのはコレですね。

不動産会社A社
不動産会社A社

両手仲介したいから他の不動産会社に情報は渡したくないよ!

不動産会社A社
不動産会社A社

でもレインズに物件載せないといけないから意味ないんだよね。。。

てな具合でどんなにA社が両手仲介を目指して情報を隠そうとしても、レインズ経由で他社に情報が渡る仕組みになるのです。

もちろん不当な情報隠しを行えないだけで、結果的にA社がちゃんと買主を直接見つけてくれば両手仲介にはなります。A社にとってはちゃんとフェアに他の不動産会社と戦わないといけないですが、それこそ本来の不動産取引であるべき姿ですよね。

「売主にとって一番良い条件で購入してくれる買主」と「その物件」をマッチングさせる。

その際に不動産会社の身勝手な都合で売主に不利益が発生しないようにする。

これが売主にとって大変ありがたいレインズの仕組みとなっています。

レインズがある事で物件を買いたい人にどんなメリットがあるのか

どこか1社に行けば市場に出ているほとんどの物件を紹介してくれます

レインズは不動産会社ならどこでも利用できるサイトです。

なのでそこに掲載されている物件はどの不動産会社でも紹介出来るってことなんですよ。

なかには皆さんがポータルサイトで探しても見つからない物件もあるでしょう。

買いたい人
買いたい人

未公開物件とかもあるってことですか??

不動産業者にしか出していない物件を未公開物件と表現するならその通りです。

※ただし未公開物件=良い物件ってわけではないのでちゃんと冷静に判断して下さいね。

もしアナタが気に入った物件に問い合わせを入れて不動産会社で紹介してもらった際、他にも物件を見たいと感じたならば希望条件をきちんと伝えることでその会社がレインズからも物件を紹介してくれるでしょう。

俗に言う「その会社しか紹介出来ない物件」は思っているよりずっと少ないので、不動産会社1社で市場の9割近い物件を紹介出来る時代になっていますよ。

レインズに公開されている物件を見る手段はないのか

基本的に一般人が見る方法はありません

何度かお伝えしている通り、レインズの利用は不動産会社限定です。

買いたい人
買いたい人

レインズに出ている物件も見れたら嬉しいのに。

青二才
青二才

気持ちはめっちゃ分かる。

レインズは専任媒介を結んでいる会社がそのまま物件情報を掲載しているので、売主と繋がっている会社がすぐに分かるメリットがあります。

売主と繋がっている会社であれば「両手仲介」が出来るので、ケース次第ですが買主の立場ならば上手いこと立ち回って仲介手数料の値引き交渉も行えます。

しかしそんな都合の良い話はありませんってことですね。例外もないんでしょうか。

例外:不動産会社で働いている人にレインズのID&PASSを教えてもらう

例外あったみたい。とんでもなく早い伏線回収、俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。

実はレインズってクラウド型のシステムなんで誰でもアクセス出来るんですよ。

ただしそこからは各不動産会社ごとに割り振られたIDとパスワードがなければログイン出来ないって仕様なんです。

じゃあシンプルにIDとパスワードが分かれば一般人でも見れるじゃん!!っていうだけのお話ですね。もちろん普通に考えたらしっかりルール違反ですからそれを踏まえたうえです。

個人的なオススメは「不動産会社として独立開業した友人から教えてもらう」ですね。

友人が「大手不動産会社に勤めているサラリーマン」の場合何かのきっかけで勤め先の会社にバレる危険性が伴います。その場合友人に多大な迷惑が掛かります。

一方独立した社長であれば社内ルールも自分次第ですので比較的リスクが低いんですね。

青二才
青二才

「業者に出ている物件も見たいからレインズ見せてよ!気になる物件あったらお前の会社経由で紹介してもらうからさ、あとちょっと仲介手数料もおまけして欲しい(笑)」

このくらいの距離感でお願いできる関係だと最高ですね。

この場合友人にとっても「気になる物件を紹介して成約すればコイツから仲介手数料貰えるし良いか。面倒な接客とかもしなくて良いなら仲介手数料も半分で良いよ」と言えるくらいのメリットはあります。

ただし一点だけ注意点もありますので以下に残しておきます。

レインズに掲載されている物件はほとんどが「売主と媒介契約を結んでいる会社が直接公開している」or「業者自身が売主で物件を直接公開している」という状態です。

そのためアナタが直接そういった会社に問い合わせを入れると

本来一般人が見れない物件だった場合辻褄が合わなくなる

・仮に問題なかったとしてもレインズを見せてくれた友人に何のメリットもない

となってしまいます。

結論:気に入った物件があったとしても直接問い合わせを入れず、友人の会社経由で紹介してもらうようにしましょう。

今回のまとめ

①レインズは誰のためにあるのか?

「物件を売りたい人」の利益を守るためにある。

②レインズがある事で物件を買いたい人にどんなメリットがあるのか

➡レインズに公開されている物件はどの不動産会社でも紹介出来る=市場で公開されている9割近い物件はどこか1社に行くだけで紹介してもらえる

③レインズに公開されている物件を見る手段はないのか

基本的にはない。例外として不動産会社で働いている友人がいればレインズのID・パスワードをこっそり教えてもらうことで見ることは出来る

簡潔にまとめてみました。

レインズの仕組みに関しての基礎は大体こんな感じです。

ただし実際にはこれらのルールがあるうえで、ルールに違反しないギリギリの範囲内で売上を稼ごうとする不動産会社も多いのが実情でもあります。

そういった応用編の内容はまた別の記事で紹介するとして、皆様にはここでまず不動産会社が日常的に利用しているレインズについての基本を学んで頂き、納得のいく物件探しのために役立てて頂けますと嬉しいです。

それでは!ここまで読んで頂きありがとうござました!

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