
俺の名前は野留間辛男(のるまつらお)。
誰でも名前くらいは聞いた事があるくらいの、有名な不動産会社に勤めているよ。
〇簡単なプロフィール
名前:野留間辛男(のるまつらお)
年齢・社歴:25歳・大卒3年目
勤め先:(株)Aハウジング (業界でそこそこ有名な賃貸仲介会社)
仕事内容:賃貸物件(アパート・マンションなど)の客付業務。内見行ったり契約させたり。
宅建免許:持ってない。勉強キライ。会社からは取れと重圧掛けられてる。
性格:基本的に悪い人ではないが、物事を深く考えるのは苦手。頭痛くなるから。
毎月のノルマ:つらい
今月はここまで調子が良くない。月度ももう半ば過ぎ。
残り2週間を切っているが、ノルマ達成までにあと50万円必要だ。
先月もノルマ未達で上司に詰められたからな。
今月こそは何とか達成させないと。
インセンティブも達成しないと入らないから、正直給料的にもそろそろ達成しないと厳しい。

何とか高単価の物件を紹介して効率よく成果を出していきたいなあ。
(俺にとって都合が)良いお客さん来ないかな・・・。

あ、今回は俺の心の声を記事みたいにまとめる方式になってるよ。
実際にお客さんを前にしたら絶対言わないような事も書いていくから、
自分が部屋を借りる時の参考にしてくれたら良いんじゃないかな。
賃貸仲介営業マンが紹介したい物件の特徴


さっきも言ったけど、高単価の物件を契約して欲しいのが本音。
ここで言う「高単価の物件」っていうのは、必ずしも「高い賃料の物件」という訳ではないんだよね。
もちろん【仲介手数料=契約した物件の賃料1ヶ月分」だから、
3万円の部屋を契約してもらうより20万円の部屋を契約して貰った方が高単価で嬉しいんだけど。
☆営業マンが紹介したい、高単価な物件について
①高い賃料の物件
・・・高ければ高いほど仲介手数料を貰えるから、当然優先度が高い。
②自社管理物件
・・・オーナーと繋がりがある物件なので、上手く行けば実質両手仲介になる。
③広告費(AD)が付いている他社管理物件
・・・一番儲かるからやる気マックス。広告費2ヶ月分以上だと確変モード入る。
①高い賃料の物件
高賃料の物件についての補足を説明するね。
これについてはちょっと難しい。
お客さんによって払える賃料というのには個人差があるし、今は月額費用(ランニングコスト)を重視するお客さんが多いから、無暗に高い賃料の物件を紹介すると信頼してもらえない。
5万円の条件で探している人に7~8万円の賃料帯で紹介しまくってたら嫌がられるでしょ?
そうなると契約自体して貰えないリスクが発生するから、ここはあまり狙い過ぎないようにしている。

金持っているお客さんに当たったらラッキーっていうくらいのイメージ。
②自社管理物件
自社管理物件は紹介しやすいので、空室があったら積極的に案内する。
「当社管理物件です」と言えばお客さんの反応も悪くないからね。
多分お客さんも管理会社が何をしているかまでは分かっていない人もいるんじゃないかな。
まあ使える情報は全部使っていくんだけど。

あと実質両手仲介っていうのは分かり辛いと思うから整理してみる。
両手仲介=借主とオーナーから賃料の1ヶ月分ずつ報酬が貰える ってこと。
借主からは「仲介手数料」として賃料の1ヶ月分を受け取り。
オーナーからは「広告費」として賃料の1ヶ月分を受け取る。
実際にはオーナーによって広告費を払ってくれないところもあるから、それ次第で優先度も変わるんだけど。

自社管理物件ならいつもの2倍売上になるって言うならそりゃ頑張るよね。
別に借主から余計にお金を取っている訳ではないし。
でもこれ本当は結構グレーゾーンらしいんだよね。
そもそも仲介手数料って「オーナー・借主から合わせて1ヶ月分」だから、
事前に了承を得ていないと借主から1ヶ月分取れないとかなんとか・・・。

まあ今までもこのやり方でやってきたから多分大丈夫なんだと思ってるけどね。
正確なルール守っててもノルマ達成出来なきゃ意味ないし。
この辺は考えすぎても分からんし、頭痛くなるからもういいかな?
③広告費(AD)が付いている他社管理物件
これが一番モチベーション上がる。
管理は他社だから詳細は分からないけど、その物件のオーナーが「早く入居者を集めたい」って考えているとこの「広告費」が付いてたりする。
物件図面の下の方に「広告費1ヶ月分」とか「AD200%」とかね。

管理してない物件だから契約取ったらその後の処理は丸投げ出来るし、広告費が2ヶ月(200%)付いてたら借主からの仲介手数料と合わせて3ヶ月分が売上になる!すごくない??
またこの③のパターンが良い理由として、
お客さんにとっては全く分からない項目ってのも無視出来ない。
広告費が付いているなんてお客さんには伝わらないから、①の高額賃料物件と違ってヤラシイ感じにならないんだよね。
③で一つ問題があるとしたら、広告費が付くような物件ってどこかしらに欠点があって、
入居者が決まりにくい物件だったりするってことなんだけど。。。

そこらへんは俺も一応プロだからね。上手く紹介して契約まで進めるよ(笑)
こんな時、どっちの物件をオススメすると思う?

家賃を極力抑えたい。初めての一人暮らしを検討しているお客さん

一人暮らし用のワンルーム探してます。
バス・トイレ別で家賃50,000円以内。
○○駅から15分以内なら検討しますよ。
アパート・マンションはどっちでも良いです。

分かりました。条件に合う物件を探してみますね。
どれどれ。そのエリアで賃料50,000円以内だとアパートしかないな。
ウチの管理物件に確か近い物件があったよなあ。。。
①自社管理物件。貸アパート。賃料4.8万円。駅から徒歩15分。バス・トイレ別。101号室。
でもこの物件のオーナー、ケチだから広告費出してくれないことも多いんだよね。
101号室は空きが出てからまだ2週間。交渉通るかは微妙なところか。

(他社が管理している物件からも探してみるか。
・・・お、条件近いのあるね)
②他社管理物件。貸マンション。賃料5.3万円。駅から徒歩17分。バス・トイレ別。201号室。
この物件は少しお客さんの希望額より高いし、駅からも少し離れる。
でも広告費が1ヶ月(100%)付いているのは確定!物件情報に記載されている。

(さて、この場合俺はどっちの物件をオススメするでしょう?)
正解は②。成約した時の売上で優先順位が変わるよ。
①・・・お客さんから仲介手数料4.8万円+オーナーから広告費0円(の可能性が高い)
②・・・お客さんから仲介手数料5.3万円+オーナーから広告費5.3万円
②なら一気に10.6万円の売上。
残り50万円のノルマをこなすには、1件あたりの単価を上げた方が効率が良い。
どうせ契約書や重説の作成はどの物件でも同じ作業量だし、コスパで考えないとね。

(とは言えお客さんの希望に近いのは①だし、ちゃんと②が魅力的に映るように提案しないと!)

お客さん、②の物件が良いと思いますよ。
相場的にもかなり安いですし、初めての一人暮らしだと軽視しがちなんですが、
騒音とかのトラブルも~以下略
マンションタイプに住むメリット、2階以上の部屋に住むメリットを最大限伝えて、
「まあ少しくらい高くなるけど良いか」
と思わせたらこっちのもんよ!よっしゃ頑張るぞ!
猫を飼いたい!仲の良いカップルがペット可物件を探している場合
次の物件行くね。

ペット可物件で探してます。
極力初期費用を抑えたいのですが、ペット買うと敷金が高くなるんですよね。
間取りは2LDK、出来れば××駅近で、10万円以内だとありがたいです。

ペット可物件でも敷金+1ヶ月くらいにはなりますね。
ちょっと探してみます。
まあそのくらいの条件なら当てはまる物件はあるけど、ワンルームと比べて希望条件にピッタリあたる物件は少なくなるんだよな。
自社管理物件で当てはまりそうなのは0件。
となれば他社管理物件か。業者間に公開されている物件を検索検索。
①他社管理物件。貸マンション。賃料10.3万円。間取り2LDK。ペット可。敷金1ヶ月&礼金0ヶ月(ペット飼うなら敷金2ヶ月)。××駅から徒歩5分。オーナーから広告費は出ない。

(おお。少し賃料割高だけど他の条件はほぼぴったりだ。+0.3万円くらいなら許容範囲では?)
もう一つの物件も見てみるか。
②他社管理物件。貸アパート。賃料8.5万円。間取り2LDK。ペット可。敷金1ヶ月&礼金0ヶ月(ペット飼うなら敷金2ヶ月)。××駅から徒歩10分。オーナーから広告費は出ないが・・・
・・・ん?最後なんか書いてるな。どれどれ。
礼金1ヶ月取れるならその分を広告費として仲介会社が受け取っても良い。

(へー。礼金はこっちで操作して良いってことか。珍しいな)

(さっきの事例も参考にして、俺がどっちの物件をオススメするか分かる?)
正解は②。これまた売上を基準に考えると一目瞭然。
①・・・お客さんから仲介手数料10.3万円。
②・・・お客さんから仲介手数料8.5万円。ただし礼金を1ヶ月分取れれば、実質お客さんからもう1ヶ月分のお金を貰えるので合計で17万円!
※礼金は「管理会社⇒オーナー⇒Aハウジング(野留間)」と流れるので、不当にはならない。
と、なれば営業文句も考えないとな。
初期費用を重視しているようだったから単純に比較すると①の方が良いと思われてしまう。
また②の物件はアパートで少し古い建物だから、そこも考慮しないと。。。
じゃあ月額費用が安い点を最大限アピールするか。
「お客様のためを思って、賃料が安い=仲介手数料が安い物件をわざわざ紹介しているんですよ」
とか言うのも好印象かも?

「お客様、初期費用を気にするのも大切ですが、重要なのは月額費用が安いかどうかですよ。
②の物件ならほぼ同じ条件で賃料が①の物件より1.8万円も安いんです。
更新までの2年間で考えても1.8万円×24ヶ月で43.2万円も変わります。
礼金1ヶ月くらい払っても問題ないくらいお得ですよ。
それに~以下略」
なんとか②で礼金1ヶ月取って決めて、ノルマ達成に近づけないと!
頑張れ俺!ファイトだ俺!
結論:営業マンの「二枚舌」には気を付けた方が良いよ。

ふう。何とか今月はノルマ達成出来そうだ。
・・・うん?賃貸仲介店の営業マンが考えている本音は結局何かって?
あとそういう営業マンのセールストークはどこを注意した方が良いのかも知りたいの?

仕方ないな。君はお客さんじゃないから特別に教えてあげる。
☆賃貸営業マンの本音は?
⇒一番売上単価が高い物件に住んで欲しい。お客さんの要望通りなのが理想的だけど、優先度はぶっちゃけ自分の営業成績。ごめんね。
★そんな営業マンのセールストークで気を付けるべき点は?
⇒彼らの「二枚舌トーク」には注意した方が良い。
二枚舌トークは本当、適当な営業マンはみんなやってるよね。
ぶっちゃけ売買と違って、賃貸なんて見方を変えるだけで魅力的に見せることが出来ちゃうから。
「マンションタイプは同じくらいの間取りのアパートと比べて賃料高くなりますから、生活スペースを確保して安く住むならこっちのアパートの方が良いですよ」
「マンションタイプは防音・遮熱性に優れているので快適に生活出来ます!安いアパートで妥協して、住んでから後悔するケースも多いんですよ」
とかね。
その時に「営業が優先して紹介したい物件の良いところ」を中心に話を組み立てれば、
結果二枚舌トークになっていくんだよね~。

二枚舌トークに惑わされないためには「自分の絶対に譲れない条件を事前に決めておくこと」が大事だね。こういうお客さんには営業都合で物件を選び辛くなる。
営業からしたらやり辛いから、イエスマンの方がありがたいけど(笑)
「賃料は○○万円以下」とか「マンションタイプで2階以上」とかね。
ただし譲れない条件をたくさん付け過ぎると、該当する物件が0件なんてこともあるから、
一つか二つくらいにしておいた方がベターだと思う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
まあ営業マンの本音はこんなところで勘弁してくれると助かるわ。
また来月には新しいノルマのシャワーが降り注ぐから、休む間もないよ全く。

気が向いたら今度は「営業マンに嫌われるお客さんの条件」も愚痴らせてね。
じゃあまたね。
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※この記事は「野留間 辛男が書いた愚痴」のような内容としてまとめさせて頂きました。
※ところどころ文章のレベルが極めて低くなっておりますが何卒ご容赦下さいませ。
青二才からの補足!
営業マンの本音が分かったところで、「広告費付き物件」などは実際に紹介されていたとしても気付くことが出来ません。
ここで重要なのは「営業マン=話している相手」の都合で半ば強引に物件を契約させられてしまうことだけは避けようってことです。
特に彼らは物件紹介のプロです。二枚舌トークを駆使しながら最もらしい理由を付けて自分のメリットが大きい物件に誘導していくことでしょう。
しかし忘れないで下さい。
その部屋を契約したあと、実際に住むのはアナタ自身です。
そこまで考えて自分が本当に住んでも良いと感じた物件を、適正な賃料で借りて下さいね。

ではまた別の記事でお会いしましょう!
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